運動でのダイエットを行う際、有酸素運動は筋トレの後、と聞いたことはありませんか?
これは、その順番で行うことで脂肪燃焼の効率が良くなるためですが、必ずしもその順番で行わなければいけないのでしょうか。
逆の順番で行うことで、デメリットなどがあるのでしょうか。
では、筋トレと有酸素運動の順番によるそれぞれの効果やデメリットなどをご説明していきます。
ダイエットでの筋トレの目的
ダイエットで体脂肪を落とすだけならば、有酸素運動や食事制限だけでも可能です。
そこに筋トレを加える理由としては、「筋肉量を増やして基礎代謝を上げる」「筋肉をつけることで体を引き締めて見た目を良くする」「食事制限や有酸素運動で筋肉が減ってしまうのをできるだけ抑える」などが考えられます。
その目的にも共通して言えることが、「筋肉を増やす」ということになります。
そして、筋肉を増やすためには筋トレの効果をできる限り上げる必要があります。
そのために、筋トレと有酸素運動の順番を考える必要があります。
筋トレ→有酸素運動
筋トレをしてから有酸素運動を行うと、有酸素運動での体脂肪の燃焼効率が向上します。
筋トレを行うと、筋トレ直後~48時間ほど代謝が向上します。
代謝が向上している状態だと、日常生活でもエネルギー消費しやすくなり脂肪燃焼効率が上がりますが、そのタイミングで有酸素運動を行えば、さらに脂肪が燃焼しやすくなります。
また、有酸素運動を行うと、体内の糖質と脂肪が5:5の割合で消費されていき、運動時間が長くなれば、その割合が4:6や3:7と変化していき、より脂肪を燃焼しやすくなっていきます。
しかし、筋トレを先に行っておけば、最初から糖質と脂肪の消費割合が5:5からではなく、4:6や3:7から始まるため、より脂肪の燃焼効率が良くなります。
以上の2点から、筋トレ→有酸素運動の順番はダイエットに非常に有効と言えます。
有酸素運動→筋トレ
筋トレを行うと、成長ホルモンが分泌され、筋肉のアナボリズム(同化)と、体脂肪のカタボリズム(異化)に作用します。
この作用により筋肉を増やしていくことになりますが、有酸素運動を先に行うと、成長ホルモンの分泌が阻害されてしまいます。
有酸素運動を行うと、中性脂肪が「遊離脂肪酸」と「グリセロール」に分解されますが、この「遊離脂肪酸」が脳下垂体に作用し、成長ホルモンの分泌を抑えて、筋肉の増加を邪魔してしまうのです。
また、筋トレは効果を最大限に出すためには、限界までトレーニングをして筋肉を追い込む必要があります。
しかし、有酸素運動行った後だと、疲労から筋トレの強度が下がり、十分な効果を出せない可能性があります。
このように、筋肉を引き締めたり、ダイエット目的においては、有酸素運動→筋トレの順番はお勧めしにくくなります。
筋トレ前の有酸素運動は何分までなら大丈夫?
運動前にウォーミングアップとして軽く体を動かすことがありますが、それも筋トレ前にはしない方がいいのでしょうか。
筋トレ前の有酸素運動の問題は、「疲労により筋トレの強度が落ちる」ことと、「遊離脂肪酸によって成長ホルモンの分泌が抑えられる」ことです。
つまり、疲れない程度に脂肪が分解されないくらいの時間なら有酸素運動を行っても問題ないということです。
有酸素運動を始めて、脂肪が分解され始めるのは15~20分後あたりからになります。
そのため、筋トレ前でも10分程度ならば有酸素運動を行っても筋トレの邪魔になることはありません。
むしろ、体を温めることでトレーニング効果の上昇にも繋がるので、筋トレ前の軽い有酸素運動は積極的に行ってもよいでしょう。
順番によって体内のスイッチが変わる
有酸素運動と筋トレは、順番によって効果が変わります。
運動の種類によって、筋肉に生じるタンパク質の種類が変化するためです。
基本的には、持久力の向上と筋肥大は両立せず、先に有酸素運動を行えば持久力向上のスイッチが入るため筋肉は増えにくくなり、先に筋トレを行えば、筋肥大のスイッチが入るため、持久力は上がりにくくなります。
そのため、ダイエットにおける「筋肉を増やす」「筋肉を減らさない」という目的においては、筋トレ→有酸素運動の順番が効果的です。
ダイエットには筋トレ→有酸素運動!【まとめ】
ダイエットでの運動は、筋肉をつけたり脂肪を落としたりなど、見た目を良くするのが目的な場合が多いのではないでしょうか。
筋トレ→有酸素運動の順番で行えば、その両方の効果を得ることができます。
逆の順番でも持久力向上などのメリットはありますが、ダイエットにおいてはデメリットの方が大きくなりますので、筋トレ→有酸素運動の順番で行うことをお勧めします。
筋トレ→有酸素運動の順番で運動を行い、筋肉をつけながら脂肪を落として、見た目のいい体を作りましょう。